お灸で安産 逆子防止に効果 イタリアの医師が証明
−伝統的な東洋医学の治療法のひとつであるお灸(きゅう)を、出産前の妊婦のつま先にすえれば、逆子(さかご)の出産が防止できる。−
こんな論文が十一日付の米国有力医学誌「アメリカ医学協会報」に掲載され、話題を呼んでいる。米国では現代西洋医学以外の医療法を体験したことがあるのは全国民の四割に達しており、お灸がブームを呼ぶことにもなりそうだ。
特集として東洋医学やアロマセラピーなどの効果を科学的に検証した同誌によると、お灸による安産効果を証明したのは、イタリアのカルディーニ医師。胎内の子供が逆子になって妊娠していた女性百三十人について、妊娠末期に一日三十分間お灸をすえたグループと、何もしないグループに分類した結果、前者では七十五%の胎児が出産前に正常な位置に戻ったのに対し、後者では四十八%にとどまった。理由などの原理は解明できていないという。
十日にワシントンで記者会見した同誌の編集長、ジョージ・ランドバーグ博士は「治療法には効果があるものとないものの二つしかなく、今回の特集によって異文化間の情報交流を進めたかった」としている。
英語ではお灸を表す単語として、日本語の「もぐさ」が転化した「moxa」が使われる。一般にはほとんどなじみのない言葉だが、今回、脚光を浴びたことで、「スシ」や「トーフ」などのように、日常的に使われることになる可能性もでてきた。(ワシントン 土井達士)
1998年(平成10年)11月12日 産経新聞より
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